和製リーバイスの本気。本格的な色落ちを楽しみたいデニム好きに「FUJITO」をおすすめしたい

ぼくはおよそ3年前から、色落ちを楽しむためのデニムジーンズとしてA.P.C.というブランドの「PETIT STANDARD」というデニムを愛用しています。

どこを取っても、デニムの色落ちや経年変化を楽しみたい人にはたまらない完璧な作りとスペック。

多くの色落ち、洋服の経年変化好きの間で大定番となっているデニムジーンズの1本です。

 

3年近くも穿いていれば色落ちも進んでくるので、そろそろ2本目のデニムに手を出す人も多い頃。

それでもぼくはPETIT STANDARDをズタボロになるまで履き倒して、限界がくる最後の最後まで愛用し続けようと思っています。

 

そんな中、いつものようにブランド古着屋さんへ足を運んでみたところ、1本のデニムを見てかなり衝撃を受けました。

ぼくにはPETIT STANDARDという最高の相棒がいる。

それなのに、他のデニムジーンズにも愛情を注ぐ訳にはいかないんじゃないか?

 

たかが洋服、されど洋服。

その日もまさに相棒を穿いて買い物へ出かけた先で出会った訳ですが、その場で試着をしながら悶絶しました。

 

「それにしてもこの1本は素晴らしい。ちょっと試しに買ってみよう」

そう決めて、お会計を済ませたのでした。

 

相棒がいるにも関わらず、これから色落ちが楽しみであろうデニムジーンズをもう1本。

謎の罪悪感こそありましたが、そもそもPETIT STANDARDは新品の頃から手間暇かけて育てている1本。

対して今回購入したデニムジーンズは、少し着古されたものを途中から穿くようなもの。

依然として愛情は圧倒的にPETIT STANDARDへ向かうことに変わりはなく、その地震もあったので購入しました。

 

今回は、ふと出会って一目惚れしてしまった素晴らしいデニムジーンズをご紹介します。

ジーンズ生みの親はアメリカのリーバイス。

歴史の長さこそ違いますが、クオリティー面で言うならば、今回ご紹介するそれは「和製リーバイス」と例えてもいいでしょう。

 

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福岡発「FUJITO」のリーバイスへのリスペクトを感じる無骨なデニム

福岡発のMADE IN JAPANブランド「FUJITO (フジト)」が展開するデニムジーンズ。

 

ブランド古着で購入したため、本来腰付近にプリントしてあったであろう、こちらのアイテムのモデル名が消えてしまっています。

FUJITOというブランド自体は2002年に始まっていますが、シルエットや作りから推測するに、その中でも年代としては少し古そう。

 

恐らく現在も定番モデルとして愛され続けている「Acer」というモデルだと思いますが・・・正確には不明です。

ただ、そんなことは関係なく、穿いてただ格好いいと思えたから買ってきた、それだけのことです。

 

定価は27,000円ほどで、ぼくが愛用しているPETIT STANDARDが23,000円ほどだったことを考えると、それよりは少し高め。

ですがお値段やシルエット、雰囲気としてもぼくが愛用しているそれとは全く違ったものを持っています。

 

そう、FUJITOのデニムとA.P.C.のPETIT STANDARDは、品質やクオリティーを見て「どちらの方がいい」と比べることができないほど、ジャンルの違うもの。

音楽で例えるなら、ロックを好きな人がポップスを聞いて「ロックの方が格好いいから」と言ってしまうほど愚かなこと。

 

異ジャンルの洋服なら、それぞれに他には絶対にない魅力と雰囲気、格好良さがある。

それをわざわざ比べるなんてできないし、とても野暮なことです。

 

PETIT STANDARDなら、フランス生まれの上品な雰囲気を持ったデニムジーンズ。

FUJITOのこちらは、本家アメリカのリーバイスに影響を受けて生まれた、例えるなら和製リーバイスのような1本です。

 

肉厚なヘビーオンスの生地に、深く染み込んだ藍色

ここ数年はトップスのビッグシルエットブームもあり、ボトムスはそれと合わせやすいよう細身のアイテムが主流。

デニムジーンズもその影響を大きく受けている訳ですが、デニム生地のそれを細身にして、コットン100%で作ってしまうと穿き心地は窮屈なものになってしまいます。

 

そこで最近は、いわゆる細身のスキニーと呼ばれるシルエットのデニムに関しては、素材に伸縮性のあるポリエステルやポリウレタンを配合。

「ストレッチデニム」なんて呼ばれる、細身のデニムジーンズが主流になっています。

 

昔ながらのデニムジーンズだったり、長く穿くことを考えて色落ちや経年変化を楽しみたい人にとっては、ストレッチ性のあるデニムはあまり好ましくなく。

ぼくも3年前にPETIT STANDARDを選ぶまでに色々なデニムジーンズに目を通してきましたが、前提条件として「生地がコットン100 %」は絶対でした。

 

FUJITOのデニムジーンズも、もちろんコットン100%。

リーバイスの永久定番デニムである501に敬意を示して作られたそうですが、作りも忠実に昔ながらの力織機で織られているそう。

ゴワっとした生地感と縦横の不均一な織りの質感。

 

A.P.C.のPETIT STANDARDも同じように力織機で織られているそうですが、あちらはさらっとした手触り。

FUJITOのジーンズは生地表面の凹凸がより目立ち、ザラッとした手触りになっています。

 

左がFUJITO、右がA.P.C.のPETIT STANDARD

実際の数値としてどうなのかは分かりませんが、FUJITOのデニム生地の方が太い糸を使っているような感覚も。

デニムの重量感を示す「オンス」の数値においては、驚くことに両者はほぼ同じ。

それでも他のジーンズにはない、圧倒的なまでの男らしさを感じます。

 

色味としては、新品当初のPETIT STANDARDが「蒼色」ならば、FUJITOのそれは「藍色」のような。

上品な雰囲気を持つPETIT STANDARDと、青黒いと例える方が正しいであろうFUJITOの藍色。

 

カジュアルで明るい雰囲気のコーディネートに適しているのはA.P.C.のPETIT STANDARD。

無骨で男らしいコーディネートにより適しているのは、FUJITOのアイテム。

やっぱりどちらの方が優れている、なんて話ではなくて、それぞれにはそれぞれの良さがある。

みんな違ってみんないいし、適材適所が存在するだけのこと。

同じ「デニム」というアイテムひとつにしても、ブランドや染めの雰囲気が違えば全く違うアイテムになる、ということをお伝えできれば、と思っています。

 

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もちろんフロントはボタン式。「月桂樹」から伝わる本格志向

フロントはボタン開閉。

ここも、ぼくがデニムジーンズを選ぶときにかなりこだわった場所でもあります。

 

というのも、ジップ開閉式にはない、ボタンの凹凸によるデニム生地の色落ちも楽しみのひとつだったから。

それに昔ながらの本格派にこだわりたかったので、今っぽいジップ開閉式という選択肢は最初からありませんでした。

 

FUJITOのデニムジーンズも、もちろん昔ながらのボタン開閉式。

そして思わず唸ってしまったのが、トップに月桂樹ボタンを使っていること。

 

これはリーバイスの1940年代頃をはじめとした、いわゆる「大戦モデル」と呼ばれるデニムジーンズに採用されているデザインを再現したもの。

当時、戦時下にあったアメリカにより物資規制がかけられていた時代背景もあり、ボタンも今まで使っていたものよりも廉価なものを、という流れで月桂樹ボタンが採用されました。

 

銅や鉄は戦争に使う武器を作るために使われる。

だから、ボタンにはそれ以外の素材で作れるものを採用せざるを得なかったんですね。

 

いわばコストを極力下げるようにして作られていたのが大戦モデルな訳ですが、現代となってはそちらの方が数も少ないため、ヴィンテージ市場では高騰。

大戦モデルは、リーバイスのヴィンテージデニムの中でも人気を誇るモデルのひとつとなっています。

 

そんなアイコニックな月桂樹ボタンを採用。

リーバイスへの敬意をとても感じますし、古着好きでも思わず唸ってしまう部分なのではないでしょうか。

 

ポケット裏には隠しリベット。古着好きの心をくすぐるディテール

さらにさらに、後ろポケットの裏には「隠しリベット」と呼ばれるディテールが。

こちらは1960年代前半にまで渡って存在していたディテールです。

 

今となっては後ろのポケットは縫い付けられていますが、こうしてリベットで取り付けているのは古いデニムジーンズである証。

そんなディテールまでを取り入れて、どこまでも古着好きの心をくすぐる作りになっています。

 

ジーンズの王様、リーバイスへの尊敬を感じる作り

腰元に付いているパッチはレザー。

パッチの右下に鳥のようなアイコンが入っています。

 

もはやほぼ消えてしまっていますが、うっすらピンクに赤耳も残っています。

旧型の力織機でデニムを織る際に裾のほつれを防ぐためのディテールが赤耳。

これがあるということは、やっぱりリーバイスと同じように作られていることの証拠ですね。

 

裾の折り返しは黄色い糸のチェーンステッチ。

ずっしりと重みのあるジーンズとの相性は抜群。

 

余談ですが、PETIT STANDARDの裾は折り返しの縫いがシングルステッチになっています。

シンプルでミニマムな印象は、ブランドのイメージそのままです。

 

上質な1本を作っておきながら、一切主張しない格好良さ

リーバイスに忠実な作りでありながら、後ろポケットには何のステッチも入っていないのが個人的にはとても好きでした。

ちゃんといいものを着たり穿いたりしながらも、ぼくはそれがいいものであることを人に見せびらかしたい訳では全くなくて。

 

あくまで、自分がいい服を着て自信を付けたり、気分を上げることが目的です。

なので不必要なブランドアピールや、ロゴは全く必要がないと考えていました。

 

FUJITOのデニムジーンズに関しては、リーバイスにあるようなポケット部分のロゴも、ステッチも何もない。

最高に高品質なアイテムを作っておきながらも「これを作ったのはウチですよ」みたく、出たがりな部分がないのも素敵だと思っています。

 

本当に自信のある人だったり、モノだったりっていうのは、無駄な主張をしないもの。

そんなことをしなくても、中身にはちゃんと努力に基づいた自信があるからなんですね。

 

もしぼくがこのデニムを知らず、穿いている友達に会ったなら、きっと「それ、どこのデニムなの?」と聞いてしまうことでしょう。

 

無骨な雰囲気、シルエット共に古着やミリタリー系との相性は抜群

最後に私物の洋服と共にコーディネートを組んでみました。

アウターには古着のA-2デッキジャケットを羽織って。

シューズには、つい先日購入したUチップの1足を合わせてみました。

 

ブランド古着で買ったとはいえ、ヒゲやハチノスといったシワは皆無。

ゆっくり色落ちを楽しみたいので洗濯回数は極力減らしたいところでしたが、やはり人が穿いていたものなので、購入後に自分でも洗濯を行いました。

 

それでもまだまだ綺麗な濃紺色。

リーバイスの王道ジーンズ、501に忠実な作りやディテールと、ストンと真下に落ちる男らしいシルエット。

何の小細工もなしに、ただただ王道のドスンと構えたストレートなシルエットが本当に格好いい。

 

ブランド古着なので当然1点モノですが、たまたまあったサイズが30 (ウエスト78cm前後)でジャストだったので購入。

股上がかなり浅く、ハイウエスト気味に穿いているので、もしかしたらもう1サイズ上でもよかったのかもしれません。

もしそうだとしても、これを逃すのは何だか惜しかった。

 

毎回、穿き始めこそ「やっぱり小さかったかな?」と思いますが、時間が経てば生地が伸びてジャストサイズのように感じます。

下手に大きいよりは、ややタイトな方がシルエットも引き締まって格好いいし、シワも刻まれやすいので、このチョイスは決して間違いではなかったはず。

 

無骨なストレートシルエットと、やや毛羽立ってゴワゴワした凹凸のある生地表面、藍色のインディゴ染料。

この雰囲気が、古着やミリタリー系のアイテムが持つ男らしい雰囲気にも引けを取らず、むしろ非常に相性がいい。

 

ちなみにですが、A.P.C.のPETIT STANDARDを合わせてみるとこんな感じ。

元々のシルエットが細い上、色落ちも進んでいるので比べるのは難しいですが、こちらだと古着ジャケットの男らしさはやや薄まるような気がします。

 

A-2デッキジャケットに合わせるなら、この2本ならぼくはFUJITOのデニムジーンズを合わせたコーディネートの方が好きかな、なんて思っています。

同じデニムでも適材適所。

逆にコーディネートに使った他のアイテムが無骨で、FUJITOのデニムを合わせるとやりすぎる、なんてときはPETIT STNDARDを使ってもいいのかもしれませんね。

 

ワイルドな色落ちを見せてくれるであろう、今後の変化が楽しみ

穿き込むにつれてこの2本が魅せてくれるであろう今後の色落ちは、きっと全く方向性の違うものであると思います。

PETIT STANDARDはどこか怪しげな雰囲気も併せ持ったかのような色落ちを。

FUJITOのデニムは、カラッとしたワイルドで男らしい色落ちを。

 

フランス生まれで上品な雰囲気を持つA.P.C.のPETIT STANDARDと、アメリカに影響を受けながら、日本の技術を駆使して作られたFUJITOのデニム。

PETIT STANDARDは新品で購入して色落ちを楽しみに育ててきたので、今後もその楽しみは変わらないと思っています。

FUJITOのデニムに関しては、変に色落ちを意識しすぎることなく、適材適所に対応させるイメージで穿いていくと思っていて。

 

その中で今後魅せてくれる色落ちと、それによる風合いの変化を、長い目で見ながら楽しみにしていたいと思います。

 

無骨な雰囲気に、上質な生地。

男らしさを感じる小細工なしのストレートシルエット。

 

「和製リーバイス」と言っても過言ではないほど、本家への敬意と忠実な作りを感じます。

FUJITOは、無骨な雰囲気を持った、ワイルドな色落ちを楽しませてくれるデニムジーンズをお探しの方に本当におすすめです。

 

似た雰囲気を持つデニムジーンズとしてRESOLUTEだったりも存在しますが、福岡発の比較的新しいブランドであるFUJITOはまだあまり穿いている人がおらず。

作りこそ本当に素晴らしいですが、まだまだ人と被りにくいブランド。

それでもこの素晴らしいクオリティーなら、もう数年も経てば確実に絶大な支持と評価を受けるときが来るはずです。

 

人と被りにくい今のうちに穿き始めて、ぜひこの素晴らしい作りを体感してみてください。

 

ぼくがかれこれ3年近く愛用しているA.P.C.のPETIT STANDARDに関しては、このブログでは今までにも色落ちの経過観察を行ってきました。

デニムジーンズの色落ちに興味のある方は、こちらの記事も是非読んでみてください。

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いわた

いわた

洋服の経年変化を愛でるファッションブロガー。自分で着たい服を作ることも。 個人ブログ「いわタワー」も運営しています。

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