モモンガのようなシルエット。高い技術で編み上げた、7種類の素材から成る至高のニット

洋服の買い物は、3ヶ月後にそれを着たいかどうかを基準にして行う。

これまでに何度かブログで書いたことがありますが、ぼくが買い物をするとき、大切にしている考えのひとつです。

 

10月に買った服なら1月に。1月に買った服なら4月に着ていたいか、着れるかどうか。

服屋さんでは回転が早いため、春にはもう夏物の服を売っていたり、夏にはもう秋冬の服を売っていたりしますよね。

 

高速回転を繰り返すアパレル業界において、欲しいと思った服を「今着たい」と思ったタイミングで買おうとしても遅くて。

売り切れになってしまい、手に入らないなんてこともざらにあります。

そんな理由から、着たいと思う3ヶ月前に買っておくという考えですが、これは欲しいと思った服を確実に手に入れる以外にも役に立つ考え方です。

 

3ヶ月後を予測しながら買い物をすると、無駄な出費を抑えることができる。

1月にニットを買っても、4月には暑くて着れそうにありませんよね。

だからぼくは、年明けから始まる冬物のセールに、よっぽど欲しいものがない限りは手を出すことがありません。

 

そんな中、今回ご紹介する1着はまさに「これは欲しい」と思ったもの。

12月の中旬に買ったものなので、3月でもギリギリ着れそうなニット。

ぼくが大好きな、ニット専門ブランドのそれを手に入れました。

 

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極上素材と至高の技術で作る「Episode no.,8」のモヘアカスリニット

Episode no., (エピソードナンバー)という、ぼくが大好きなブランドのニット。

ブランド名の後ろに付く数字が、シーズンを展開する毎にカウントダウンされていき、0になった時点でブランドが終了。

春夏、秋冬の2シーズンで年に2つずつカウントダウンを続けていき、2015年の秋冬でブランドは終了。

新品で手に入る機会は何かのイベント時しかなく、今となっては基本的には誰かが手放した古着でしか手に入りません。

 

少し前に手に入れたこちらの、通称「モヘアカスリ」はEpisode no.,8で展開されたもの。

2011年の秋冬アイテムということになります。

 

基本的にブランド古着屋さんで見つけたら、着こなすのが難しいもの以外は買い集めているEpisode no.,のニット。

個性的な柄はツボにハマれば本当に気に入ってしまう。

クセが強すぎて、見つけたものの購入を見送ったものや、手放してしまったものも何着か存在するほどです。

 

ニット専門ブランドならではの、とんでもない手間の掛かり具合

今回購入したEpisode no.,8のニットは、とんでもない手間と高い技術を掛けて作られています。

品質表記タグが付いていないので前に着られていた方が取ったのだと思いますが、調べれば何種類もの素材を使用し編まれていることが判明しました。

 

ウール57%、ナイロン15%、モヘア11%、アクリル10%、アンゴラ3%、絹3%、ポリエステル1%

計7種類もの素材を使用し、それらを混ぜ合わせた混紡糸で編まれたニット。

 

パッと見の雰囲気と他に類を見ないクセの強さから、きっと素材には並大抵のこだわりがあり、豊富な種類を使っているのだろうと予測していました。

しかしまさか、ここまで多くの素材を使っているとは。

それぞれの素材をどれだけ使うか、比率に関しても試行錯誤を続けた上での最適解がこの結果だったのでしょうか。

アンゴラと絹は3%、ポリエステルに関しては全体の1%だけ。

素人であるぼくからすれば「もはや使わなくても変わらないのでは・・・?」なんて少しばかり思ってしまうのですが、そうはいかないこだわりと理由が、絶対にあるのでしょう。

 

ベースとしてはウールが大半なので保温性も抜群。

それでいて生地感としては柔らかく、ウール100%ニットのようなゴワゴワ感はなく、着心地はとてもいい。

 

繊維が長くて光沢のある「モヘア」であることに併せ、「カスリ」と呼ばれる色合いがグラデーション状に変化する糸を使っていることから、商品名は「モヘアカスリ」なのでしょう。

編み方としては「求心編み」と呼ばれる、中心に向かって円を描くような編み方を採用しているそう。

だからなのか、柄が全体的に円を描くようにして表現されています。

 

この編み方で作られる代表的なニットには、よく見るフェアアイル柄のものがありますね。

 

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クセの強い、超独特のシルエットが「ゆるカジ」好きとしてはドツボ

こだわりの詰まった素材選びと編み方、そこから表現される独特の柄。

そして、それらを可能にした高度な技術。

 

パッと見なら、ごく普通のよくあるニットにも見えるかもしれません。

掘り下げれば掘り下げるほど、実は只者じゃなかったことに気付かされて、クセの強さに気付かされて。

 

書きたいことは書けたから、それじゃあいつものように実際に着た写真を載せて・・・。

と行きたいところですが、実はいちばん分かりやすい部分が、いちばんクセの強い仕様になっているんです。

 

異様なまでに深く設計された脇下部分。

もちろん合わせる肩の縫い目なんてなく、腕部分は首元から脇下へかけて縫い付けられたドルマンスリーブ仕様。

 

ここまで脇下に余裕を持たせると、もはや人間離れしたシルエットに。

モモンガ的なシルエット。

もしかしたら、人間よりもそちらの方が快適に着こなせるのかもしれません。

 

1枚で着たときに魅せる唯一無二の存在感

ここまで説明したところで、ようやく実際に着たときの写真を載せてみます。

パッと見はややオーバーサイズのニットといった具合で可愛い。

 

少し手を伸ばしてみると、思いっきりモモンガなシルエット。

ぼくはこの手の、いわゆるドルマンスリーブの洋服は大好きで、ニットなら尚更。

 

にしても、ここまで脇下に生地の余るアイテムは着たことがありませんでした。

対照的に袖先はなかなか細めになっているため、シルエットにメリハリをつけたが効いていてとても可愛い。

 

最近人気なChampionの古着リバースウィーブスウェット。

サイズ表記がLより大きいものを選ぶとこうなりますが、あのゴワっとした生地が脇下に余るのは少し苦手。

なのでぼくはリバースウィーブを選ぶ際も、Mサイズを目安にしているのでした。

 

今回そんなシルエットの洋服を手に入れたのは、そして気に入ったのは柔らかい生地感のニットだったから、でしかありません。

これがもしスウェットだったなら敬遠していたであろうシルエット。

 

その辺りまでを計算して、柔らかい生地感のニットを作ったのでしょうか?

細かい配分の素材もそれを考慮してのことなら、本当にプロの技でしかありません。

 

ただ難点があって、アウターを着た際に脇下の生地が余りすぎるため、腕を下ろしていると違和感を感じること。

脇の下に何か詰め物をしているかのような感覚と付き合っていくしかないようです。

 

アウターを着ると余った生地が前に寄せられて、お腹の辺りに溜まってしまうのも難点。

見方によっては「それが可愛いんじゃん」なんて思えるかもしれませんね。

 

先ほども例に挙げた古着のリバースウィーブだってそう。

あれは思いっきり大きいサイズを着るのが流行りな訳なので、ぼくの好みがそことは違うだけな訳であって。

 

こちらのチェスターコートは比較的王道のシルエットをしているので余計に生地が余ります。

「じゃあアウターも肩の落ちたものを着たらどうなの?」と思い、ゆるいシルエットのブルゾンを羽織ってみましたが、こちらも同じ結果になりました。

 

めちゃくちゃ大きいサイズのリバースウィーブを着ている方て、アウターはどうしているのでしょう?

脇の下に生地が溜まるあの感じを、特に不快と思っていないのなら問題のないことではありますが。

 

海外サイズの大きな古着をただ選ぶと、全体的にダボっとしているだけになってしまう。

それが今の流行りですが、ぼくとしてはどうもビッグシルエットがそこまで得意ではありません。

 

ただ、計算して作られた心地良く着れるようなオーバーサイズ、ビッグシルエットの洋服は本当に大好きで。

締めるところは締めて、緩めるところは計算して緩める。

 

今回ご紹介したニットもそんな1着でした。

残り少ない冬にはインナーとして、少しだけ着れそうな春先には1枚で愛用していきたいと思います。

 

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いわた

いわた

洋服の経年変化を愛でるファッションブロガー。自分で着たい服を作ることも。 個人ブログ「いわタワー」も運営しています。

YouTubeチャンネル「いわたの偏愛コレクション」