”変なTシャツ”を着る、本当の心の内

背中に大きく「知られてたまるか」の文字。フロントに不思議なフォントで「自動車潤滑」の文字。様々なブランドのパロディーTシャツ。

ほんの2~3年前まで、人目を気にしていたぼく。好きにファッションを楽しんではいたものの、どこかでやっぱり人目を気にしていたぼく。

人から格好いいと思われたい。モテたい。そんな気持ちが、ぼくの心には絶対的な存在としてあったんだと思います。

 

今となっては、そういった気持ちはぼくの中でも目立たなくなってきていて。

もちろん今でも、小さくなっても消えずにあることは確かですが、お陰で以前よりも確実に人目を気にしなくなったぼくがいます。

 

大学を卒業してから、ぼくは在学中に始めたブログの広告収入を元に生活をしています。一人暮らしを始めて、もうすぐ二年が経とうとしているところです。

大きなくくりで言う”フリーランス”なのですが、会社へ出勤する訳でもなく、コミュニティーに属している訳でもないぼくは、生活のうちほとんどの時間を一人で過ごしていて。

それが寂しくて仕方なくて、一人暮らしを始めた頃に出会い系サイトに登録したこともありました。同じ県内に住んでいる異性と遊んでみたりもしましたが、それも今では全くなくなって。

そんな生活が二年も経とうとしている今、ようやく一人の生活にも慣れてきたように思えています。それでも時々、どうしようもなく寂しいときがあって、そんなときはお酒を飲んで早めに寝るなり、対策も覚えました。

 

人目に触れることが、ほとんどなくなった今。触れるのは外へ出たとき、街ですれ違う面識もない人たちの目だけ。

小さい頃は髪を切るのが本当に嫌いで、変わることで注目を浴びることがとにかく嫌で。街ですれ違う人に変だと思われることが嫌で、床屋さんから出るなり頭を隠して歩いていました。

今思えば、ぼくのことを初めて見る人に、ぼくの変化なんて分かる訳がなくて。だって、変わる前のぼくを知らないんだから。

 

そんな状況で、街ですれ違うだけの人たちに格好いいと思われたいとか、モテたいと思うことはもちろんなくて。

今の生活を続けるにつれて、人目を気にしないぼくが出来上がりました。

 

ただ、それでもぼくは洋服が好きだった。もうすぐ二年が経とうとしている生活の中で、新しくこのブログを立ち上げて、ただ洋服のことだけを書いていて。

そこまでして洋服が好きなぼくのその動機は、”お洒落をすることで人からよく見られたい”というものだけじゃなかった。それよりも強いものがあった。

そのことを再認識できて、少しだけ嬉しくなっているぼくがいます。ぼくはやっぱり、自分に自信がないぼくを、お気に入りの服を着ることで肯定してあげたいだけだった。武装したいだけなんだって。

 

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内に秘めた”ひねくれ”が段々と露呈していく

ぼくは基本的に、人とどこか違っていたい。流行りの映画があれば、逆に見たくない。流行りの服があれば、逆に着たくない。

大勢がiPhoneを使うなら、ぼくはAndroidを選ぶ。大勢がMacを使うなら、ぼくはWindowsを使う。

 

そうやって、形ひとつを取るにしても、人と違うことを望んできました。

きっとぼくは誰よりも目立ちたがり屋だから。それでも自分の意見を人前で言うほどの度胸がないから、少数派に属することで目立とうとする。

浮き彫りになる形で目立とうとしているんだと思います。

 

ぼくのAndroidは後にiPhoneに、WindowsはMacに買い替えました。機能性、利便性、実用性を考えた末に辿り着いた結果でした。

実際に使ってみて感じた使いづらさを無視してまで抗おうとする、変なプライドは持ち合わせていないみたいだった。

 

ただ、常に人と違っていたいぼくの”ひねくれ”は、ぼくという人間の持ち物であって、その気持ちはどこにでも現れます。

それはもちろん、洋服を着るという行為ひとつを取ってもそう。誰とでも簡単に差別化ができて、もっとも身近なもの。洋服っていうのは、そんなものだと思っています。

だからぼくは、そこにも人と違う何かを持っていたい。最初に洋服を好きになった動機には、もしかするとそんなものも含まれていたのかもしれません。

 

個性的な柄、シルエットで人と違っていようとする。それが難しくなるのは夏のこと。

基本的にTシャツばかりを着るぼくは、誰もと同じように夏の服装はTシャツにジーパン。こうなってきます。

 

そこで、人と違っていたいぼくの願望を叶えるには。そう考えるようになる夏、ぼくの心の内側に存在し続けている”ひねくれ”の魂は、最も真っ直ぐな形で露呈するようになります。

 

選んだTシャツのひとつひとつと、その裏に持たせたテーマ性。

「知られてたまるか」日本語で大きく堂々とそんな文字が刻まれたTシャツを着る理由も、「自動車潤滑」とヘンテコな文字が並んだTシャツを着る理由も、ちゃんとある。

わざわざ会った人に説明するほど簡単なものじゃない。聞かれたところで、真っ正面から答えることはほとんどない。

ただ、それを着る理由は確実にある。奇をてらって目立とうとしている訳じゃない。「面白いTシャツを着てるね」と言われたいが為に着ている訳でも全くない。

 

Dunnoの「知られてたまるか」Tシャツ。これに関しては、以前も記事にしたので省略します。

関連記事▶︎知られたい。けど、知られたくない。そんな気持ちを分かってくれたDunnoのTシャツ | いわたの偏愛コレクション

 

「自動車潤滑」なんて滑稽な文字列が並んだTシャツを着るのは、ぼくが言葉の重みを大切に思っているからで。

街ですれ違う、適当な英語の書かれたTシャツ。着ているあなたはそれを、その意味を本当に理解した上で着ているのか。

ファッションに自分のメッセージを込めて、それを着ているのか。

 

きっとそうじゃない。見た目が格好いいから。そういった理由で着ている場合がほとんどなのかもしれない。

でもぼくはそうじゃない。内弁慶なのかもしれない。自分の意見を人に、目を見て真っ直ぐ言うのは怖い。

小説家が小説で何かを伝えようとするように、ミュージシャンが歌詞に想いを込めるように、ぼくはファッションにメッセージ性を持たせている。

こうしてブログを書いているのも、音楽をメロディーよりも歌詞で好きになるのも全部、言葉の重みや影響力には大きな可能性があると思ってのこと。

 

「自動車潤滑」

ヘンテコな文字列の並んだTシャツを着るのは、日頃意味も分からずに英字Tシャツを着ている人たちへのアンチテーゼでもある。

ぼくのことを見るけれど、笑うけれど、意味も分からず英字Tシャツを着ているあなたたちがやっていることって、要するにこれと同じことなんですよ、ってこと。

 

自分で書いてきて何ですが、やっぱり非常に性格が悪い。

学生の頃から、別に目立つ人間でもありませんでした。

だからなのか、何も考えずに「ウェーイ」ってやっている人たちのことを、どこかで軽蔑しているのかもしれません。

一般的なファッションの裏の裏の、そのまた裏まで深く潜って、その世界で嘲笑っているのかもしれません。

 

”他と違っていたい欲求”を、シンプルなコーディネートになるからこそ満たしてあげることが難しい夏。

一言で”変な服”と言えるそれに見えても、ただそれを着て目立ちたいだけなように見えても、そんなことを考えながら、意味を持った上で着ているのでした。

これがぼくのファッション。あくまでも、メッセージ性を持ったファッション。

もうすぐやってくる秋、そして冬。どんな服を着て、他と違っていようか。

そこでしか強がれないぼくを、強くなれない弱すぎるぼくを、どうやって特別にしてあげればいいのかを、考えています。

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いわた

いわた

洋服の経年変化を愛でるファッションブロガー。自分で着たい服を作ることも。 個人ブログ「いわタワー」も運営しています。

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