もうすぐ夏も終わるということで、秋冬へ向けて物欲が増してきています。最近は記事最初の一文も大体こんなことを書いている気がします。
でもやっぱり、それだけ嬉しいんですよ。ファッションの楽しさっていうのは、重ね着をすることにあると思っていて。
そんなこんなで、リサイクルショップをフラフラしていたときに1着だけ異彩な雰囲気を放っていたシャツに出会いまして、それを購入してきました。
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レプリカ界の金字塔。SUGAR CANEの開襟シャツ

住んでいる街から電車で数駅のところにある、服が好きな人はあまり来ないであろうリサイクルショップ。
といっても駅前にある大きな、古着も扱っているタイプのブックオフでした。そこにふらっと足を運んで、さらっと服を売っているフロアを見ていたときのこと。
この1着だけ、明らかに他の洋服とは違ったオーラを放っていました。野暮ったくて、無骨で、でも大きめのサイズ感が絶妙なゆるさを醸し出していて。
心なしか「お前に見つけて欲しかった」とでも言われたかのような、運命すら感じていたところです。大袈裟に表現しましたが、要するにタイプだったんです。

SUGAR CANEの、どこかオールドルックでアメカジ感満載、ゴリゴリに無骨で男らしさを感じさせてくれる開襟シャツ。
全然関係ないですけど、ぼくらのギターヒーロー、布袋寅泰もこういう喋り方をするんですよね。
ライブのMCにて「今日はロックンロールでアヴァンギャルドで、それでいてスウィートでハッピーなライブにするよ」
ルー大柴みたいなMCをします。全然関係ないですけど。また12月にライブへ行くことが決まったので、楽しみでついこんな書き方をしてしまいました。全然関係ないですけど。
話を戻すと、SUGAR CANEはレプリカ界の金字塔、東洋エンタープライズ株式会社が誇る一流ブランドです。
”レプリカ”って、ぼくも学生の頃に古着屋でアルバイトをするまで知らないジャンルだったのですが、いわゆる古着のディテールを再現して服作りを行うブランドを指します。
レプリカブランドの中でも高い知名度を誇っているブランドの代表格が、BUZZ RICKSON’Sだったり、このSUGAR CANE。
その2大ブランドをはじめとして、他にも複数の人気レプリカブランドを誇るのが、東洋エンタープライズ株式会社なんです。
ヴィンテージ感溢れる風合いを作り出すことや、高い技術には定評のある東洋エンタープライズ。
ぼくが以前このブログでご紹介した、ずっと欲しくてたまらなかったMIHARA YASUHIROの不死鳥スカジャン。
あのスカジャンに施されている、大胆で迫力のある刺繍は東洋エンタープライズ社によって施されたものなんだとか。
まだ読んだことのない方は、こちらの記事にも目を通して頂けると嬉しいです。
このシャツ、ブランドタグの下にユニオンチケットのようなものが付いていて。
またまた気取って横文字を綴ってしまいましたが、これはいわゆるユニフォームに共通して付いているタグのようなもの。
1970年代には廃止されてしまったディテールなので、古着でこれが付いていればなかなかに古いもの、といった目安になります。
これが付いたLeeのデニムを探すのが、結構楽しいです。
ブランド古着屋さんでアルバイトをしていた頃は、買取査定をしながらユニオンチケットの有無を確認して、ワクワクしていた記憶があって。
大体の男性は小さい頃からコレクター気質を持っていると思うんです。例えばカードゲームをするなら、それを使わなくても光っているレアカードはひと通り集めたかったり。
リサイクルショップなんかで古着を探していると、コレクター気質とお宝探しの血が騒ぐので楽しいんですよね。
色、柄、シルエットから漂う、ザ・アメカジな佇まい

開襟シャツって、当然の如く無骨で男らしい洋服が多い古着やレプリカの中でも、どこかゆるさを感じさせてくれるアイテムだと思っています。
ひとつ前の記事でも書きましたが、ぼくはゴリゴリに無骨なヴィンテージ古着やアメカジ感のある洋服が好きで。
ただ、iroquoisのように、古着やアメリカンな洋服に着想を得て作られる、ゆるい雰囲気を持ったそれらも好きで。
無骨になりすぎるのも得意じゃないし、かと言ってゆるくなりすぎるのも得意じゃない。
そうしたら全身をiroquoisで固めておけばいいんじゃないの?って話ですが、それじゃあ自分のアイデンティティーだったり個性が出なくてつまらない。
だから、無骨で男らしい雰囲気と、絶妙なゆるさを最適なバランスで混ぜ合わせた、自分だけのスタイルを確立させたいと思いながらファッションを楽しんでいる最中なんですね。
確かにゆるい服は好きですが、100%をDulcamaraやFFIXXED STUDIOSのようなブランドに寄せていくかと言えば、”そっち”じゃなくて。
中性的なゆるさというよりは、無骨さを兼ね備えつつも、どこかゆるい。大人の余裕を感じさせるゆるさとでも言うのでしょうか。
バランスが何とも難しいので、なかなか確立できずにいるのですが・・・雑誌で例えるなら、メンズノンノが得意としているあの雰囲気。
そんなことを思って、SUGAR CANEの服を初めて買いました。なんというか、”こっち”のゆるさ。早く確立したいところです。

もちろん、襟下には第一ボタンが隠れています。開襟シャツって、一番上の特徴的なボタンホールが可愛いですよね。
気温の上がる夏は、首元をすっきりさせると涼しく感じます。ぼくは真夏になるとほとんどシャツを着ませんが、着るなら開襟シャツがいいな、と思っています。


両胸にはフラップ付きのポケット。開襟シャツと言えばこれ、なディテールです。
素材は綿100%ですが、生地感はややリネンに近く気持ち薄手で風を通しやすい雰囲気。そのため、洗った後はちゃんと伸ばさないとシワシワになります。
ぼくは雑に干してしまったので、やっぱりシワシワ。

千鳥格子柄の上を、無限に走っていく十字模様。立体感もあるので、この柄はジャガード織りで表現されているように思います。
普通の千鳥格子柄でさえ好きなのですが、そこに加えてジャガード織りでの表現。たまりません。
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ビッグシルエットシャツを着こなす上での新たな挑戦

表記サイズはLですが、それよりも明らかに大きめのサイズで作られているこのシャツ。
サイズまでアメリカ基準で作られた・・・ことは考えづらいので、恐らくですが元々オーバーサイズ気味に作られたのだと思います。
それを、普通に着れば拳まですっぽり隠れるほどの袖丈。相棒ジーンズ、PETIT STANDARDのヒゲとバックポケットはすっぽり隠れるだけの着丈。
計算された流行りのビッグシルエットというよりは、オーバーサイズ。ここでコンテナ単位で仕入れているであろう安い古着屋によくあるシャツと同じ現象が気になります。
やっぱり普通に着れば袖が長すぎる。着丈も長い。デザインとシルエットはすごく好きだけど、一体これはどうやって着こなせばいいんだろう?
そう、この手のシャツってインナーの上から羽織ったり、ボタンを留めて1枚で着る分には全然いいんです。
オーバーサイズのトップスってそれだけで新鮮だし、袖を捲って着ておけば、どこか小慣れた雰囲気が出るから。
問題は、それをインナーとして着るときのこと。着丈も袖丈も長いしで、これをレイヤードの最も外側に配置しないとなると、ぼくには少し難しいことで。
学生の頃に雑誌を読んで”シャツの着丈はニットやカーディガンから○cmだけ出ているのが最適なバランス”と学んだそれが、どこかでコーディネートの基盤にあるからです。
コーディネートにそんな決まりはないし、どんな服をどう着ようと個人の自由。ただ、洋服が大好きになった今でも、そんなことを少しだけ気にしていて、律儀に守ってきたように思います。
今年はそれを破っていきたい。まだどこかで一般論に振り回されているぼくを、完全に自由になるまで解放したい。
特別、人が多い訳でも少ない訳でもない街に住んでみて、一人暮らしになって毎日着る服を選ぶ以外にもやることが増えて、いい意味でコーディネートにこだわらなくなりました。
つまり人目を気にしなくなりました。人がどんな格好をしていても、人は人。じゃあ、ぼくはぼく。もっと自由にファッションを楽しんでいいんじゃないの?
そんな考えの変化が、今まで何度か手を出しては「これは常識外だ」と思い、気に入らなくなってすぐに手放したオーバーサイズのシャツに、再び手を出させたのだと思っています。

例えばお気に入りのカーディガンと合わせてみても。これくらい、着丈が長くたっていい。
ちょっとだらしないくらい、力の抜けている方が格好いいって、今のぼくはそう思っています。
その方向へ行くと、やっぱりカート・コバーンは本当に格好良くて。グランジファッションって、男ならやっぱり憧れてしまうな。
オーバーサイズのシャツを、シャツジャケット風にじゃなく、インナーとしても取り入れる。
今まではそれをシャツジャケットとしてしか着ることができなかった為、着る機会も少なく手放すことが多かったんです。
春や秋のライトアウターとしてだけではなくて、冬のインナーとしても、オーバーサイズのシャツを取り入れる。今年の冬は、そんな新しい挑戦もしてみたいな。

いわた

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