「ロックバンドのツアーTシャツはダサい」に関して、服好き視点から思うこと

少し前に、Twitterで「ロックバンドのツアーグッズは大体ダサい」といった旨の記事が拡散され、話題になっていました。

 

ロックバンドがライブを行うと、物販ブースを設けてグッズが販売されていますよね。Tシャツとか、タオルとか、他にも色々。

記事を書いたご本人も「今まで色々なバンドのライブに行ってきたけど、ぶっちゃけどのバンドもグッズがダサい」

そう前々から思っていて、それをいざネットに書き込んでみると思っていた以上に共感と反響があった、と受け取られているように思います。

 

というのも、これは「みんな思っているけど、公に言ってはいけないこと」を表に出してしまった感覚に似ていると思いました。

だって、きっとみんな思ってた。「バンド自体は好きだけど、ツアーグッズが毎回ダサい・・・」って。

でも、それを大きな声で主張できるだけの自信と確証はなかった。

”そのバンドが出すからカッコいい”と思われていることや、「もしかしたらダサいと思ってる自分にセンスがないのかもしれない」と自分でも思っていた節も、きっとあるから。

それでも今回の記事が公開されて、盛り上がって、今まで密かにそう思っていた人の多くが「やっぱり自分の感じていたことは間違ってなかった」と再認識した。

だから、あそこまで拡散されたんだと思っています。

 

ぼくも、ロックバンドが好きで今まで色々なバンドのライブに足を運んできました。そして確かに心のどこかでは思っていました。

「バンド自体は大好きだけど、ツアーグッズはどうも買う気になれないな・・・」

 

その記事はなんとアジカンの後藤さんも読まれたそうで、Twitterでこのように仰っています。

ぼくも基本的には同意見なので、ここでは「あのバンドのグッズがダサくて・・・」といった話を広げたいとは思っていません。

 

ただ、この記事を書こうと思ったきっかけは、昨日行ったライブにて人生で初めて、バンドの物販でTシャツを買ったからなのでした。

バンドがライブで販売するツアーグッズ、目玉アイテムのひとつでもあるTシャツ。

それに関して、音楽が好きな1人として、そして服好きとして、個人的に思っていることを書いてみたいと思ったのでした。

 

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ヴィジュアル系バンドのグッズは凝っている

バンドが売るツアーグッズがダサいかどうかは置いておいて、ぼくは個人的にそういった類のグッズって実用性がないと思ってしまうんです。

デザインうんぬん以前に、ぼくがこれまでに色々なバンドのライブに行っておきつつもグッズをほとんど買ったことがないのは、これが大きな理由。

 

ただ、今でこそロックバンドを聞く機会の方が増えましたが、元々ずっとヴィジュアル系バンドが好きだったぼく。当時は今ほど”バンドのグッズには実用性がない”と思うことはなくて。

というのも、いわゆる”ヴィジュアル系”って、普通のロックバンドよりもグッズ製作には異様なまでに力が入っているんですよね。

 

例えば清春は抜群のファッションセンスで自身のブランドを作ってしまいました。都内に実店舗まで持っていて、ツアーグッズのTシャツも併売していたり。

ぼくがもう10年以上ずっと大好きなシドは、ツアーを開催する度にメンバー1人ひとりが完全プロデュースしてデザインに凝ったグッズを作ります。

 

それもそのはずで、ヴィジュアル系バンドの場合はライブにおいて、グッズの売り上げが全体の多くを占めているというのです。

業界的に、グッズにこだわるのは当たり前になっている。その分、一般的なロックバンドに比べるとぼくはそこまで「これはちょっと買えないな・・・」と思うことは少なかったです。

 

そこにどっぷり浸っていた後で、他のロックバンドが販売しているツアーグッズを見て「買えないかも」と感じた理由。

ロックバンドのツアーグッズには実用性がないのではないかと、個人的には思いました。

 

話を戻してシドの場合。ヴィジュアル系バンドということもあり、やはりツアーグッズの製作には凝っています。

毎回、奇想天外なグッズを販売していますが、それでもいいのは意外と実用性があるところ。

ボーカル、マオのプロデュースで何年か前に販売されたグッズはなんとリップクリーム。マオによるオリジナルのデザインが外装に施されていました。

100円で買えるそれよりも遥かに小さいものの、100円で買えるそれよりもかなりいい成分を使っているものでした。

使い切った後にはストラップとして使えるよう、フタ部分に紐が通されていて。これ、ぼくは買いました。めちゃくちゃ実用性があったから。

 

あるときにはギターのShinjiプロデュースで、ネギの形をしたUSBメモリーが販売されていたことも。

(Shinjiは無類のネギ好き。元々はラーメン好きだけど、それが行き過ぎて薬味のネギすら好むようになった)

容量は2GBで3,000円なので割高だけれど、デザインにお金を払っていると思えば全然お得だと感じたグッズのひとつ。こちらは買いませんでしたが・・・。

こうして振り返ってみると、シドのツアーグッズってなかなか実用性があるんですよね。買って、それきりにはならないことが多いんです。

 

ヴィジュアル系バンドではありませんが布袋寅泰のツアーグッズも実用性があって。

Tシャツやタオルはもちろん、最新のツアーではネクタイやG-SHOCKとコラボした腕時計も売っていました。

もはや実用性に溢れ過ぎている。一緒に行った友達はネクタイを買っていました。

パッと見じゃ布袋グッズと思えないほどには、主張し過ぎない最適なバランス。それでいて、見る人が見れば同じ布袋ファンである喜びを共有できる素敵なグッズ。

 

ロックバンドのグッズには実用性がない

20代になってからはロックバンドもよく聞くようになり、ライブにも足を運ぶようになりました。

そこでツアーグッズを見ても「買えない」と思ってしまう理由。それは「グッズに実用性がないから」これに尽きるのではないでしょうか。

販売するグッズ自体の実用性というよりも、デザインによって実用性を失ってしまっているような印象です。

 

例えばTシャツなら、バンド名やツアータイトル、日程を大きくプリントしていることが多くて。

それだとTシャツとしての機能は失ってしまっているように、個人的には思います。元々は1枚で着るために作られた洋服がTシャツというもの。

そこにそれらの要素を大きくプリントしてしまうと、どこかデザイン性に欠けるというか。なかなか日常的に着るには難しいものになってしまいますよね。

 

ツアーグッズのTシャツに関しては、そのような理由からぼくはジャンルを問わず買ったことがありません。

仮に買ったとしてもライブ当日に着た後は日常的に着ることが難しく、部屋着としてしか使えなくなってしまいそうだからです。

 

加えて洋服を好きな身として、「この品質にこれだけのお金は出せないな」と思ってしまうのでした。

バンドのツアーグッズは基本的にファンビジネスだと思っていて、「好きなバンドのTシャツだから」の理由で買う人が多いはず。

だから品質に口を出すべきではないと分かってはいるのですが、面倒臭いですね・・・。洋服を好きになると、こういうところを素直に楽しめなくなってしまいます。

 

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昨日、人生で初めてバンドのTシャツを買ったのは

そんなぼくが昨日、人生で初めてライブ終わりに物販でTシャツを買いました。トリプルファイヤーの渋谷CLUB QUATTROワンマンライブにて。

CROSS STITCHのボディーにオリジナルのデザインをプリントしたシンプルなTシャツ。お値段は2,000円でした。

ボーカルの吉田さんがライブで着られていて、終了後の物販で飛ぶように売れていたこれ。

 

ぼくも買った1人ですが、どうして買うに至ったのか?その理由はやっぱり、実用性があるからなのでした。

メジャーバンドが販売するTシャツの場合、ツアータイトルやバンド名、日程が大きくプリントされたデザインが多い。

 

一方でトリプルファイヤーが販売するTシャツは基本的に、ライブを行っている当時の最新アルバム名とイラストをシンプルにプリントしただけのデザインです。

ちょっと寂しいように思えるかもしれませんが、実はそれがよくて。余計なデザインがないからこそ、1枚のTシャツとして日常的に着れるアイテムになってくれるんですよね。

 

デザインも毎回、不思議なイラストが施されたものばかり。意味があるのか、ないのかすら分からない不思議なものばかり。

でも、やっぱりそれがいいんですよね。あえて奇を衒うようなことはせず、”ロックバンドだから”と格好をつけるようなこともせず。

ロックバンドがツアーグッズとして販売するTシャツは、ガチガチに格好良く仕上げようとして、どこかそのデザイン性が空回りしているように思えてしまうことも。

 

しかしトリプルファイヤーの場合はそれがない。というか、もはや何周かしてよく分からないデザインを、ちょっとダサいデザインをあえて採用してしまう。

その粋な感じだったり、何周かしているからこそ滲み出てくる”分かってる感”がバンドの魅力です。それをこうして説明すること自体、おこがましいことですが・・・。

 

ボディーにTシャツ作りの定番、CROSS STIRTCHを採用して、販売価格は2,000円。この辺りも非常に良心的で、売るために作った雰囲気が皆無なのも素敵なところ。

単純にひとつのグッズとして売っているところ。ファンビジネスをする気がさらさらないのもいい。

トリプルファイヤーというバンド名だったり、曲に漂う雰囲気から、なんとなく”そういうバンド”であることは、きっと理解して頂けると思います。

 

ボディーのTシャツを真っさらな状態で買うなら、500円前後で手に入ります。オンスはやや重めながらも、軽めに織られているため空気を含みやすい生地感。

少しザラザラしていて、着古した古着Tシャツのような雰囲気があります。風を通しやすいため、汗をかいても乾くのが早い。真夏でも快適に着れる種類のボディー。

薄過ぎず厚過ぎずで程よい生地感なので、本当に普段からオシャレ着として愛用できる1枚です。ライブTシャツって生地の薄いものが多いですが、それがない。

デザイン代まで含めてこれで2,000円ならお得です。ましてや好きなバンドのTシャツなので尚更。

 

何周かして、最近はこういった”ちょいダサ”なデザインが普段から好きです。実際、記事を書いている今もこのTシャツを着ています。

入ったマックの店員さんがタイプすぎて、着てきたことを少しだけ後悔はしていますが・・・。

 

グッズはお土産であって、実用性を求めちゃいけない

「バンドのツアーグッズはダサい」の話題をきっかけに書き始めたこの記事。まとめると”グッズに実用性を求めちゃいけない”ということなんだと思っています。

売る側は基本的に、お土産を売る感覚でグッズを作っているはずです。

旅行に行ったら何かしらの思い出をモノとして残したくてお土産を買うのと同じで、基本的にお客さんはライブに来たらお土産としてグッズを買っていく。

 

一方で買う側のぼくら(の一部)としては、どうしてもそこに実用性を求めてしまうんですよね。だから、今回のような記事が盛り上がったのだと思います。

せっかく好きなバンドのTシャツがあるなら、普段から着たい。でもあまりにも実用性がなくて(デザインがツアーに寄り添い過ぎていて)着れないじゃん。

結果として「ダ・・・ダサい」と思われてしまうことが多かったのではないでしょうか。

 

アジカンの後藤さんもやっぱりこう仰っているように、ツアーグッズにはお土産としての側面が大きいようです。

だからそもそも、着るためのモノであるTシャツにも”着る”という実用性を求めちゃいけない。きっと、そういうことなのでしょう。

ハンガーにかけて飾っておくとか。もしくはライブに行くときだけ着るとか。それが正解なのかもしれません。

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いわた

いわた

洋服の経年変化を愛でるファッションブロガー。自分で着たい服を作ることも。 個人ブログ「いわタワー」も運営しています。

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