ニット専門ブランドの技巧。Episode no.,が魅せる繊細で高度な服作り

学生の頃、ぼくはヴィジュアル系バンド・シドのマオに憧れて。マオは黒夢の清春に憧れて。

その2人が愛用していたことをきっかけに、ぼくはiroquoisというブランドに魅せられていきました。

ニットを得意とするブランド。時にはまだ呼び名のないオリジナルの編み方を駆使して、この世に新たなニット作品を生み出していたりもして。

それが発展してニット専門のブランドも、期間限定で登場しました。

 

Episode no., (エピソードナンバー)

タグにもあるように10から始まり、シーズンごとに数字がカウントダウンしていく設定。

現在は既に0まで到達してブランド自体が終了していますが、未だファンからは根強い人気を誇っています。

そのためブランド古着屋でしか見かけることも、手に入れることもできません。

 

ぼくはEpisode no.,のニットが好きで何着か持っているのですが、今回はそのコレクションに新しく仲間が加わって。

Episode no.,2より、”BLOCK CHECK JAQUARD”です。この1着を作るために使われた高度な技術力と、それが織りなす魅力をご紹介したい。

観察しながら写真を撮っていたのですが、ニットを裏返して見たときには度肝を抜かれてしまいました。

 

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Episode no.,2 BLOCK CHECK JAQUARD

全体を写した写真がこちら。

余談ですが、写真を撮りながらいつも感じていることがひとつ。ぼくの部屋、狭すぎ。

 

男の1人暮らし。洋服に全神経が集中してしまっているのか、部屋やインテリアには全くと言ってもいいほどに興味がありません。

パッと「そろそろ実家を出よう」と思い立ったその日のうちに不動産屋さんへ行き、その日のうちに契約を済ませて今の部屋に住んでいます。

ロフトがある秘密基地感に惚れて選んだのですが、写真を撮るため洋服を床に平置きすると、必ずハシゴが写ってしまう。

そのため最近はハシゴを外して部屋の隅っこに移動させながら、こうして洋服の写真を撮っています。

これが意外と面倒臭いし、労力も使うし・・・。次に引っ越すときは、もう少し広い部屋に住めたらいいな。

 

その名の通りにブロックチェック。ただし、タダモノではない編まれ方

全く関係のない話が紛れ込みましたが、いつも通り洋服を紹介するブログに戻ります。

このニット、名前の通りにブロックチェック柄をしています。遠くから見ると細かくチェック柄が並んでいるように見えて。

ちょっと不思議な雰囲気をも感じさせる並びに惹かれて購入したのですが、その作りをまじまじと観察していると、本当に度肝を抜かれます。

 

「はあ〜・・・いや本当、よくここまでやるよな。」

思わずため息が出てしまうほどに凝ったことをしていて。

 

「これだよ。これだからEpisode no.,はたまらない。」

その後で興奮を連れてきて、着る人にそう思わせてくれるのがこのブランド。だから集めたくなってしまうんですよね。

 

超ズームアップしてみるとこのニット、柄はこんな風になっています。

ニットらしくジャガード織りを駆使して模様を織りで表現。ただ、一言にジャガード織りとは言ってもEpisode no.,の技は本当に細かい。

生地は黒と赤、2色の糸で構成されているのですが、表面を見ただけでもそれらが複雑に絡み合っていることがわかります。

ブランドのブログでこのニットが紹介されている記事を読むと、この不思議な柄の並びは部分的に編み方を変えることで表現しているんだそう。

 

少し離れて柄を見てみると、それがよくわかりますね。

黒い糸を多めに使って四角いチェック柄を表現している部分もあれば、細長く走らせて細い柄をいくつも表現している部分もあって。

ジャガード織機がコンピューターの指示に従って赤い糸と黒い糸を使い分け、緯編みで柄を形成しながら編み上げていく・・・といったことなのでしょうか。

 

どうやって編んでいるんだろう。ニットの編み方やジャガード織りに関して色々と調べてみたけれど、なかなか難しい。けれど非常に興味があります。

機械がこのニットを編んでいるところを見てみたいな、スローモーションで。

 

そしてこの柄が、裏側を見ると・・・。

基本的に縦の一方向に編まれているため横方向への衝撃に弱く、それに関する注意書きがタグにも記載されていました。

なんだか複雑に糸があっちこっちへ飛び交っています。縫い方と柄の表現、糸が混じり合う仕組みが気になってくる。

 

とにもかくにも、こうして複雑な柄が幾重にも重なって1着のニットが出来上がるという。うーん、なかなか果てしない話ですね。

袖を伸ばしたついでにシルエットの説明をすると、肩を落としたドロップショルダー。着ると縫い目が肩と肘の真ん中くらいに位置します。

 

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着ると際立つ、ドロップショルダーシルエットのゆるさ

ということで最後に着用写真を載せてみます。

ミラーレスのカメラを使い始めて数年、最近になってセルフタイマー機能が内臓されていることを知ったので、着用写真を撮れるようになりました。ハマってます。

 

身頃と袖の縫い合わせは肩の骨が最も尖った部分に合わせて行われますが、このニットは”ドロップショルダー”といって、縫い合わせる位置を通常よりも下げています。

その分、本来二の腕を通す部分が腕の細い部分に位置したりするので、袖周りにゆとりが生まれて。

 

腕を伸ばしてみるとこの通り。脇の下に生地が余っていて、この部分がややオーバーサイズ気味な設計になります。

ジャストサイズではない分、生地のゆとりがゆるい雰囲気を醸し出すことが特徴。

このブログでもしょっちゅう”ゆるい雰囲気の服が好き”と繰り返しているぼくですが、こういったシルエットや設計にこだわってのことでした。

 

ここ数年はずっとビッグシルエットが流行り続けている影響でインナーだけでなく、アウターでもドロップショルダーのアイテムをよく見ますよね。

ぼくが持っている2着、色違いで持っているiroquoisのMA-1もドロップショルダーになっています。

本来は軍モノで、無骨な印象を持つはずのMA-1がゆるく見えるのはそのお陰。見た目は古臭いのに、ディティールは今っぽい遊び心に溢れたアイテムです。

関連記事▶︎人生で初めて2色買いした服。iroquoisのMA-1

 

もっと集めたくなるニット、Episode no.,

ぼくは服作りに関して詳しい訳ではないので、このブランドが魅せる高度な技術に知識が追いついていません。

それでもただ見ているだけで、着るだけで1着ずつに込められた強いこだわりを感じ取ることができるのがEpisode no.,というブランドのアイテム。

触れればすぐに、このブランドの展開する1着ずつがタダモノではないことが一瞬でわかります。

 

iroquoisを好きな人からも、そうでない人からも強い人気を誇る理由がよくわかる。

不思議な魅力と確かな技術が着る人に「もっと集めたい」と思わせる、そんなブランドなのです。

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いわた

いわた

洋服の経年変化を愛でるファッションブロガー。自分で着たい服を作ることも。 個人ブログ「いわタワー」も運営しています。

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