バーバリーのミリタリー。トレンチ生地で作られた珍しすぎるMA-1

アウターはたくさんあるけど、インナーが全く足りてないから買いに行きたいな。

そう思ったことをきっかけにニットやスウェットをはじめとした春先まで着れそうなアイテムを探しに古着屋さんへ足を運ぶことにした昨日。

気付けば目当てのアイテムとはかけ離れた1着を買って帰宅しました。それがあまりにも珍しかったものだから・・・。

 

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トレンチコートと同素材?BURBERRYSのMA-1

それがなんと、BURBERRYS(バーバリー)のMA-1。

袖にポケットはないし、正式にそのデザインソースをMA-1としていいのかはわかりません。

ただ、ミリタリージャケットに影響を受けたシルエットであることは確か。バーバリーといえばトレンチコートが代表的なアイテムです。

新品でも古着でも絶大な人気を誇る名品。

外の光に当たると独特の光り方をする、ハリとコシを持ち合わせながらもどこかクタッとした生地感が、特に古着の場合はたまらなくカッコいい。

 

このブルゾン、そんな名品トレンチコートと同じ生地で作られているんです。

あのバーバリーが80〜90年代にミリタリーブルゾンを作っていたというだけでも驚きなのに、加えて贅沢にもトレンチコートと同じ生地を使っているとは。

なんともニクい仕上がりになっています、この1着。長年古着屋で働いている店員さんも初めて見たと仰っていました。

 

精巧に編まれたリブに経年劣化の影響はなし

ミリタリーブルゾンといえば、象徴するディテールのひとつにリブがあります。

首元や手元、裾に位置して洋服と体の隙間をピッタリ埋めながら、寒さを感じる原因の大元となる風をシャットアウトしてくれる大切なパーツ。

柔らかく伸縮性に長けた部分であるため、30〜40年前のミリタリーアイテムを買ってみると伸びきっていたり破れてしまっていることも珍しくありません。

 

今回紹介するバーバリーのブルゾンは80〜90年代にかけて生産されたものとのことですが、短く見積もっても20年以上経ったリブはご覧の通り、まだまだ現役です。

触ってみると弱っている様子もなく、むしろ適度な硬さとハリを保っています。

かなり丁寧に編まれたリブに、バーバリー社の丁寧な仕事が見え隠れ。ミリタリー系のアイテムを作るにしても天下一品のクオリティーで仕立てるあたり、さすがの一言。

 

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袖にもリブが・・・と思いきや、バーバリーらしさが際立って

ミリタリーブルゾンともなれば、首元と袖、裾にリブは当たり前。

そう思って袖を見てみるとリブはなく、その部分だけまるでシャツを見ているかのような気持ちになります。

袖先にはボタン。それも一般的なシャツに付いているものよりもほんの少しだけ大きいくらいで、上品な雰囲気が漂います。

ここをリブにすればよりミリタリー感が増して男臭いアイテムになる訳ですが、そうはいかない。

計算されたブランドらしさを感じ取れます。さすが上品な英国紳士のために生まれたブランド、バーバリー。

 

比翼仕立ての奥に潜むはYKK社の細長ジップ

このブルゾン、何がいいって比翼仕立てでジップを隠しているところ。

ミリタリーブルゾンをそのまま再現してしまえば、いくらバーバリーの仕事であろうが絶対に男臭いアイテムに仕上がるはずです。

それを避けていかにバーバリーらしく、いかにスタイリッシュな英国紳士のファッションスタイルに落とし込むかを計算して作られたこの1着。

独自の視点でディテールの引き算を行いながら極力シンプルなデザインを目指して。バーバリーにしかできない仕事です。

 

奥に潜むはゴリゴリの大きめジップ・・・ではなく、YKK社の細身なジップ。

個人的にYKKのジップは安っぽさがあるのであまり好きではないのですが、この1着は格別です。

気品に満ちた持ち手と、YKK社のわりにズッシリとした重みがあって年季を感じます。

まだYKK社が量産を行って世界的なシェアを獲得する前ジップなのでしょうか。製造コストにもそれなりのお金がかかっているように思えます。

 

裏地にはブランドの代名詞、気品溢れるバーバリーチェック

裏地にはもちろん、トレンチコートと同じくバーバリーチェックがどっしりと構えています。

ブランドの代名詞とも言える、気品溢れるチェック柄。

いやらしさを全く感じさせず、上品。見ているだけで優雅な気分になるこの柄。他のブランドには真似のできない淑やかさ。

シンプルなデザインのアイテムの裏地として控えめに、それでも覗ければ一瞬で特定できるだけの存在感。

ブランド全体として、俺が俺が・・・と前に出て行きすぎない余裕と大人の立ち振る舞い、間違いなく唯一無二のもの。

 

内ポケット周辺。近くで撮ってみても”美しい”という言葉がとても似合う柄がバーバリーチェックです。

 

ブランドの粋な計らいを想像できる「なぜそこに?」なロゴ刺繍

トレンチコートには施されないものの、シャツやニットには必ずと言ってもいいほどに存在する、こちらもブランドの代名詞と言えるロゴ刺繍。

このブルゾンの場合、古着のアウターにしては珍しくそれが存在していました。

とはいえ場所はなんとフロントポケットから少しずれたところに。

 

どうしてそこなんだろう?

個人的にはロゴ刺繍のない方がもっと気に入っていたのに・・・と思いながら店員さんのご意見も聞いてみました。

「私は逆にそれがいいと思いました。胸元ではなくポケットの近くというのも面白くて」

 

確かに、普通であれば胸元に入ることの多いロゴ刺繍。それをあえてこんな所に施す意味って何だろう?

ぼくなりに考えてみた結果、胸元に入れるといやらしさを隠しきれなくなってしまうからなのではないか、という結論に。

 

少し前まで、日本において”バーバリー”の名はほぼ悪用されかけながら、それを全面に押し出したゴリゴリのブランドマーケティングに使われていました。

日本人は高級ブランドの服を身につけて見栄を張ることが大好きです。自分に自信がない分、いい服や鞄を身にまとってステータスを上げようとする。

”バーバリー ブラックレーベル”や”ブルーレーベル”は、ロゴやバーバリーチェックのデザイン料を払う契約を本社と交わして服を作り、経営を続けていました。

しかしそれに嫌気が差した英国本社は、バーバリーブラックレーベルとのライセンス契約を解除。

結果として伝統ある本物のバーバリー以外はその名を名乗ることができなくなり、ただ”バーバリー風”の服を作るだけのブランドに成り下がりました。

 

こうした過去が証明するように、バーバリーはブランド名で商品をゴリ押しする、いわゆる見えっ張りを嫌います。

だからこそ、ロゴ刺繍は入れたいけれど胸元ではなくポケットの近くに、と考えたのではないでしょうか。

いやらしさのない、実に本家バーバリーらしい選択です。

 

春先にシャツやスラックスと合わせたい上品な1着

本当はニットが欲しくて古着屋さんを巡っていたのですが、結果として全く違うものを買ってしまいました。

それも最近はほとんど足を運んでいなかったお店にて。たまに行くと、こうした出会いがあるのも面白かったのでよしとします。

 

トレンチコートと同じ生地感で、それよりも軽くサラッと羽織れるこのブルゾン。

春先にシャツやスラックスと合わせて、普段よりも少し上品なコーディネートを楽しみたいところです。

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